今回は手を出さない方が良い金融商品の1つ、毎月分配型・隔月分配型の投資信託についてです。
数ある金融商品の中でも投資信託は少額からスタートできたり、様々な商品に投資するモデルで便利且つリスクが低いイメージを抱く方も多いかと思います。
ですが結論から言うと、毎月分配型・隔月分配型の投資信託はおすすめできません。
比較的リスクが低いとされる投資信託でも、どの商品を選ぶべきかは真剣に考慮する必要があります。
これから投資を始めようとされている方や、どの投資信託を購入するべきか悩んでいる方は参考にしてみてください。
【要チェック】毎月分配型・隔月分配型の投資信託の注意点
投資信託を保有していると、分配金がもらえることがあります。
分配金が毎月発生する投資信託が毎月分配型で、2か月に1回発生する投資信託が隔月分配型です。
毎月分配金を受け取れるのは一見魅力的ではありますが、注意点があります。
それは、「必ずしも分配金=運用益とは限らないこと」です。つまり、分配金を受け取ることができても肝心の元本は減ってるかもしれないということですね。
分配金には大きく2種類あります
投資信託の分配金には、普通分配金と元本払戻金(特別分配金)の2種類があります。
元本払戻金:元本の一部を取り崩して支払う分配金
毎月分配型・隔月分配型の投資信託は、運用益がプラスであれば普通分配金を支払いますが、運用益が出なかった場合には元本を取り崩し、元本払戻金として分配金を支払うのです。
受け取る分配金が元本払戻金だった場合、分配金を支払った分だけ投資信託の元本が減ってしまいます。
一流の投資家・ファンドマネージャーであっても、毎月運用益をあげて一定額の普通分配金を永遠に支払い続けることは困難です。
そのため、毎月分配型・隔月分配型の投資信託は、元本払戻金から分配金を捻出している商品が多々あります。
元本払戻金を受け取っても意味がない
お金を増やすために投資をするのであれば、毎月分配型・隔月分配型の投資信託は向きません。
分配金を受け取ると、得た利益を再投資してさらに利益を生み出す「複利効果」が機能しないためです。
また、元本払戻金が発生すると元本自体が減少し、その結果、複利による増加額も小さくなってしまいます。
加えて、毎月分配型や隔月分配型の投資信託は、信託報酬などの手数料が年1~2%と比較的高めに設定されているため、長期的な資産形成には不向きと言えるでしょう。
分配金健全度をチェックしよう
投資信託の分配金のうち、どの程度が普通分配金で構成されているかを示す指標として「分配金健全度」があります。
分配金健全度が100%であれば全額が普通分配金ですが、100%未満の場合は元本払戻金が含まれているということです。
投資信託の分配金健全度は情報サイトなどで確認できる場合もあるため、100%に近いか、または高水準を維持しているかを購入する前に調査しておくことをおすすめします。
【豆知識】毎月分配型は新NISAの対象外
なお、新NISAでは毎月分配型の投資信託は対象外とされています。
その理由は、「長期的な資産形成には適していない」と判断されているためです。
一方で隔月分配型の投資信託は新NISAでも利用可能ですが、資産形成を目的とするのであれば、分配金健全度のチェックは必須と言えます。
毎月分配型・隔月分配型の有益な使い方
基本的に資産形成の観点では毎月分配型・隔月分配型をおすすめすることはできませんが、有益な使い方も存在します。
年金生活を送っているなど、定期的に資産を取り崩す必要がある場合は、毎月分配型や隔月分配型の投資信託がニーズに合うこともあります。
特に隔月分配型は、年金の支給がない奇数月に分配金が支払われる商品が多い点が特徴です。
とはいえ、分配金健全度は高いに越したことはないので、慎重に選ぶことが大切です。
まとめ
投資信託を選ぶ際は、毎月分配型や隔月分配型に限らず、「分配金健全度」に注目することが大切です。
分配金健全度が100%であれば、分配金の全額が運用益から出ている良い商品ですし、100%を大きく下回る場合は元本が払い戻されている、資産も目減りしている不良金融商品と捉えることができます。
特に長期的な資産形成を目的とする場合は、分配金が高いからといって安易に選ぶのではなく、資産がしっかり成長する仕組みになっているかを見極めましょう。
投資信託の情報を確認する際は、信託報酬や純資産総額とともに、分配金健全度が高いかどうかもチェックし、資産を着実に増やせる商品を選ぶことが大切です。
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