今回は株式投資のお供とも呼べる「会社四季報」の読み方について解説します。
株式投資において、「四季報」は有用な情報源のひとつです。
数千社にも及ぶ上場企業の業績や事業内容、株価指標などを網羅的に掲載しており、個別株投資をするなら一度は目を通しておきたい書籍と言えます。
しかし、初心者にとっては「情報量が多すぎて何から見ればよいのか分からない」と感じるかもしれません。
そこで本記事では、投資初心者向けに四季報の基本的な構成と注目すべきポイント、株式投資における活用法までを解説していきます。
四季報とは?初心者が知っておくべき基礎知識
「会社四季報」とは、東洋経済新報社が年4回発行している上場企業情報のデータブックです。
すべての上場企業の業績、財務、事業内容、株価指標、コメントなどがコンパクトにまとめられています。
四季報は、株式投資において以下のような目的で利用されるのが一般的です。
☑保有銘柄の業績チェック
☑相場の全体的な雰囲気をつかむ
☑決算・業績修正の事前予測
紙版だけでなく、Web版や証券会社のアプリ内でも閲覧できる場合があり、初心者でも手軽に使える時代になっています。
四季報の基本構成
四季報の1社ごとの情報欄はコンパクトながら非常に密度が高く、大まかに次のような構成になっています。
企業概要(会社名・証券コード・業種など)
ページの最上部に、企業名、証券コード、業種、設立年などの基本情報が記載されています。
投資初心者は、まず「何の会社か?」を把握することが大切です。業種や事業内容、所在地、代表者の氏名などが簡潔にまとまっています。
株価情報・指標
株価、PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)、配当利回り、発行済株式数などの指標が記載されています。
PERが極端に高い(割高)・低い(割安)などの判断材料になり、投資判断の入り口として活用可能です。
事業内容と特色
この欄には、企業の主力事業や業界内での立ち位置、特徴的な取り組みなどがコンパクトにまとめられています。
・スマホ向けゲーム開発に強み。北米でも人気タイトルあり
・再生医療に注力し、研究開発費が多い
初心者でも企業の成長性や注目点をつかみやすく、四季報の中でも最初にチェックすべき重要ポイントです。
コメント欄(業績予想・評価)
四季報独自のアナリストによる業績予想や企業評価が載っているのがこの部分です。
たとえば、「増益続く」「営業益上振れ」「赤字縮小も営業黒字化遠く」など、簡潔なキーワードで表現されています。
投資初心者でも、その企業の「今」と「近い未来」の見通しをつかみやすい部分であるため、ぜひチェックしてみてください。
財務情報・業績推移
売上高、営業利益、経常利益、純利益、1株益(EPS)、1株配当などの業績の数値推移(3期分)が一覧で確認できます。
数字だけを見ると難しそうですが、売上・利益が右肩上がりかどうかをチェックするだけでも十分有益です。成長企業かどうかの判断材料として活用できます。
初心者が見るべき四季報の注目ポイント
四季報には膨大な情報がありますが、初心者が最低限チェックすべき項目は以下のとおりです。
コメント欄の業績見通し
「増益」「上振れ」「黒字転換」などのキーワードがあれば、今後の株価上昇が期待できる可能性があります。
配当情報と利回り
安定した配当を出している企業は、長期保有に適しています。高すぎる利回りは一時的なものかもしれないので注意。
業種と特色欄
企業の成長性を考えるうえで、どの業界に属し、何に強みを持っているかを確認しましょう。
PERとPBRの数値
同業他社と比べて極端に高い・低い数値はないかをチェック。割高・割安のヒントになります。
四季報を使った銘柄選定のやり方(初心者向け)
初心者が四季報を使って有望銘柄を探すには、以下のようなステップで四季報を活用してみましょう。
ステップ1:気になる業種を選ぶ
まずは「自分が興味ある分野」から業種を絞ると効率的です。たとえば「半導体」「食品」「エネルギー」「医療」など。
ステップ2:コメント欄と業績で絞り込み
「増収増益」「上振れ」「新規事業拡大」など、ポジティブな内容の企業に注目しましょう。3期分の業績が右肩上がりならより安心です。
ステップ3:財務や配当の安定性を確認
自己資本比率が40%以上、配当が安定、赤字が続いていない企業は、初心者にも比較的安心な銘柄といえます。
四季報をもっと活用するコツ
四季報を投資に活用するためのコツ・テクニックについて紹介します。
付箋やマーカーを使って読み込む
気になる銘柄に付箋を貼ったり、コメント欄のキーワードにマーカーを引いたりすると、情報の整理がしやすくなります。
Web版で検索機能を使う
「PER10倍以下」「営業増益」「配当利回り3%以上」など、条件を指定して検索できるWeb版四季報を使えば、初心者でも簡単にスクリーニングが可能です。
証券会社のスクリーニングと併用する
SBI証券や楽天証券などのツールには、四季報と連携したスクリーニング機能もあるので、効率的に銘柄を探すことができます。
【まとめ】四季報は「宝の地図」。慣れれば投資の強力な味方に
初心者にとって、最初は難しく感じるかもしれませんが、四季報は慣れてしまえば「宝の地図」のように役立ちます。
その企業の本質を理解し、将来性を見極めるためには非常に有効なツールです。
いきなり全部読もうとするのではなく、まずは「コメント」「特色」「業績」の3か所だけでも読み進めることで、十分に価値ある情報を得られます。
あなたもぜひ、四季報を手に取り、「この会社、面白そうだな」と感じる企業を一つずつ見つけてみてください。
四季報で気になった企業は、公式サイトやSNS等もチェックすることで、どんどんその企業に関する理解を深めることができるでしょう。
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